私はあなたのストーカーです



声をかけてくれた先生が、ニセモノ?


あの場に本当は先生はいなかった?


わからない。


わからない。


(……部屋の、中?)


空に見えたのは天井の模様だった。


私は、いま、空模様の部屋の中にいる。


横たわっていたのは――、ベッド。


ふかふかの、真っ白な、布団に包まれていた。

まるで雲の上に浮かんでいるような気分にさせられる。


ふと視界に入った白い棚の上に、

水色のランドセルが置いてある。


(ランドセル……?)


最近。
ごく最近、どこかで見かけたような。


赤でもなく、紫でもなく、茶色でもなく。


(どこ、だっけ)


特別珍しいものでもないだろう。


小学生は、それぞれに好きな色のランドセルを選ぶ時代だ。


男の子が黒で女の子が赤なんていう時代もあったみたいだけれど、それは昔の話で。


なのに、水色のランドセルという言葉が、どこかで引っかかる。


「おねーちゃん。起きたの?」


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