私はあなたのストーカーです



それって、まさか。


「イジメ……とか。児童虐待……とか」


思いつく単語をそのまま述べた。


「その線が濃厚だ。でも、あの子は何も言いたがらないから、本当のところはわからない」
「でも。テレビにうつる、小町ちゃんのご両親は、とても心配そうに……」
「ああ。学校サイドも会見で『真面目な手のかからない子だった』と言っているし。彼女をよく知るクラスメイトも、口を揃えて『大人しいけど、いい子』と言っている。なにかおかしいと思わないか」
「はい」


隠された真実でもありそうな話だと思った。


両親が虐待を隠している?

学校側がイジメの加害者とグルでイジメをなかったことにしている?


嫌な想像は、いくらでもできた。


「仮に虐待なら。あの子は、聞かれたところで口を割らないように躾けられてるのだと思う。イジメだってそうだ。加害者から話せば余計辛い目に合うようなことを言われている可能性がある」


自分と重なり、胸が苦しくなる。


< 258 / 353 >

この作品をシェア

pagetop