私はあなたのストーカーです

「暫く俺は、あの子が自分の生活を取り戻すことに、時間や金をかけ続けると思う」


その間の生活費や、必要に応じて弁護士費用とか。

先生が、ずっと、負担してあげるの?


先生、わかってますか?

先生が誘拐犯だってバレたら捕まりますよ。


私と、いられなくなりますよ。


そんなことになったら、小町ちゃんのこと、私は許しませんよ。


「あの子を見送ったあとは。二人で暮らそう」


――!


「ほんというと。この言葉は、卒業まで待つつもりだった」
「先生……?」
「結婚しよう」
「……嘘」
「ほんと」
「ほんとに?」
「ああ。そんな気なければ、さらったりするもんか」
「嬉しい。先生。だいすき。……死んでもいい」
「そんなこと言うな。一緒に生きるんだ」
「キス、したい」
「バーカ。それはとっとけ」
「ええっ」
「あんまり煽るな」
「……だって」
「言っただろ。そんな態度とられると、先生じゃいられなくなるって」


先生に、腕を引かれ――。


「ヒナコ」


抱きしめられ、背中に腕を回される。


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