私はあなたのストーカーです
やっぱり夢でもみてるのかな、私。
好きな人の腕の中にいるなんて。
好きな人から名前を呼ばれるなんて。
あたたかさと、先生の鼓動が、伝わってくる。
(夢じゃ、ない)
「最初は。普通に生徒としてみてたんだけどな」
「……今は?」
「わかるだろ。こんなこと生徒にはしない」
「小町ちゃんにも?」
「はは。あの子にしたら、いよいよヤバイな」
してないんだ。
先生から抱きしめたりするのは、私だけなんだ。
「もう世間的には許されないことしちゃってますけどね」
「違いねえな。宇崎は、やっぱり俺のやり方には反対か」
これは、先生から私だけがもらえる特別。
「いえ。先生のプランは全面的に支持したいです」
「そういってくれると嬉しい。お前のこと、手放さなくて済むから」
先生と離れるなんて考えられませんよ。
「抱きしめる、だけですか」
なんて強欲な、私。
「キスくらい。大人になったらいくらでもしてやる」
その言葉に、この先も一緒にいられる保証がもらえた気がした。