私はあなたのストーカーです
「行ってくる」
朝になると、先生は、出かけていく。
もちろん“教師”になるためだ。
私は、あっち側にいたのに。
もうそこに戻る気、ない。
「お姉ちゃん、あそぼ」
先生が仕事に出ている間は
小町ちゃんのお守りをすることになった。
小町ちゃんは素直で、天真爛漫で、純真で。
「お兄さんは、休みの日に小町といっぱい遊んでくれるの」
小町ちゃんから先生の話を聞けば聞くほど、先生の人柄が伝わってきて嬉しくなった。
同時に、
この可愛らしい生き物に憎しみを抱くようになった。
――この子は私の知らない先生をたくさん知っている。
そう思うと、この子をぶってしまいたくなった。
「お姉ちゃん?」
そんな、自分が、嫌で。
……はやく。
はやく、この子をここから追い出したい。
この子に罪はないのに。
「お兄さんにはね、妹がいてね」
そういえば、そんなこと先生から聞いたな。一緒に料理を作るくらいに仲がよかったって。
だから、悠と私の関係が微笑ましいみたいに。