私はあなたのストーカーです


偵察してた。


ヒナコちゃんのこと。


入学する前からね。


もちろん、変な虫、つかないように。


守るために。


『助けを求められるまで見てるだけでいいです』


それがセンセイからの命令だったし。


そのつもりだったけど。


正直、


『カワイソウ』


見てるだけなのすごく辛かったよ。


助けてあげたかった。


助けて。


ヒナコちゃんを僕のモノにして。


そして、僕が、

君を思いきり甘えさせたいし。


僕が、君を、わんわん泣かせたい。


そんなこと言ったらすごくビックリされるだろうなあ。


かわいい顔、するだろうなあ。


ああ、そうか。


その場に合わせて、どんなことでも言ってきた人生だったし。


ヒナコちゃんに、たくさん嘘ついてきたし。


また会えるなら騙し続けることになるけど。


僕は、ヒナコちゃんに恋をしているんだ。


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