私はあなたのストーカーです


あー、世界で一番しちゃダメな相手に、恋しちゃったなあ。


それとも


神さまのものだから欲しくなるの?


「コラ、起きろ」
「……くりりん」
「お前どの授業でも寝てるらしいじゃないか、藤ヶ谷」


僕が叩き起こされたのを見て男子がケラケラ笑っている。その中に知っている顔はない。


興味ないものは覚えない。


女子の中には、


「藤ヶ谷くんって、ちょっとかわいい」なんて言う子もいるけど。まあ、どうでもよくて。


女の子の欲しい言葉ならわかるけど。今言ってあげる場面でもないし。


「放課後。俺の部屋来い」
「ええ……」
「ええ、じゃねーよ。保健室でもサボってたそうだな」
「なっちゃんのおしゃべりー」


ひどいなー。

なっちゃんから僕に会いたがるクセに。

今度お仕置きだね。


「ハイハイ」
「はいは一回」
「ハーイ」


まあ、こんなのは、茶番だ。

僕たちの関係を悟らせないための。


チャラ男の僕に適当にあしらわれる教師の図。


――ね、センセイ?


上手にできてるでしょ。

また褒めてよ、センセイ。



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