私はあなたのストーカーです


僕は、見張り役でもあったけれど

センセイとヒナコちゃんの橋渡し役だった。


ヒナコちゃんが困っていたときに、センセイを近づけさせたのは僕だ。


ヒナコちゃんは、真面目な子だからさ。


教師と生徒の垣根を超えて本気の恋をさせるために。

センセイへの気持ちを加速させるために。


色々と、背中を押すこと言ってあげたんだ。


センセイってほんと、ズルいよね。


ただの生徒なんて思ってないクセに。


あの子の前で教師になったことなんて

“一度も”ないクセに。


ヒナコちゃんの気持ちを自分に向けるためなら。


コントロールするためなら。


突き放したり、掴んだり、

教師になったり、

男になったりしてさ。


言葉匠に操っちゃうんだから。


夢中にさせちゃうんだから。


ほんと得意だよね。



――洗脳。



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