私はあなたのストーカーです


ヒナコちゃんにとってはセンセイを選ぶのが天国で。

それ以外の選択肢はどれも地獄なんだろうな。


ヒナコちゃんママがヒナコちゃんのことを心から心配しているってことは、教えてあげないんだよね。


外の世界にヒナコちゃんの救いが残ってたら揺らぐもんね。


まあ、僕は、どれだけこの世界がキレイだとしてもヒナコちゃんはセンセイを選ぶと思うよ。


センセイも気づいていると思うけど、あの子、けっこー異常だよね。


そこがかわいさの一つでもあるけどさ。


僕たち寄りの人間だよね、ヒナコちゃんは。


センセイがわざとSNS見せるようなことして、興味煽ったあとさ。


――授業中、ずっと見てたよ。


僕にバレてるとも知らずに、ずっと、センセイの載せた写真見たりしてた。


あの携帯

宮内麻美にトイレに落とされて壊れた携帯、僕が真夜中に合鍵使ってヒナコちゃんの家から持ち出してきたやつ。


復元させてみたんだ。

できたよ。データの復活。


――ビックリしたよ。


センセイの写真の多さに。


まあ、センセイはヒナコちゃんの携帯になにが入ってるか定期的に確認してたから、そのくらいじゃ驚かないよね。


いいなー、相思相愛。


そのへんのカップル見ても、なんにも憧れやしないけどさ。


センセイとヒナコちゃんの関係みたいなのなら。


僕も、なってみたいかなって。


柄にもなく憧れちゃった。


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