私はあなたのストーカーです
「碓氷悠の正体、世間に公表するよね?」
イケメン高校生の正体がサイコなんてマスコミすごい騒ぐだろうね。
未成年だけど面白がって顔も名前もネットに晒すやつ出てくるだろうな。そうなると就職なんて破滅的だよね。野鳥や母親に刃物向けてる写真、いい感じに撮れてたなあ。
「頃合いを待ちましょう」
「いつ?」
「今は彼を泳がせておけばいいです」
僕は、碓氷悠の残虐性を助長させた。
結果、彼の母親が鬱になった。
これもセンセイの計画のうち。
「君のおかげでスムーズにことが運び。最高の成果をあげられそうです」
「センセイがアドバイスしてくれたから」
「それを上手くこなしたのは、他でもない君です」
センセイは、僕を、褒めてくれる。
昔から僕の両親は、僕のことを叱っても、褒めてはくれなかった。
それがすごく
嫌で
嫌で
ただでさえストレス感じてたのにさ。
僕のトモダチをイジメるやつまで現れたから。
つい、我慢できなくて――…殺しちゃった。
そんなとき、センセイに出会った。
『よくやった』
僕の頭を、撫でて。
抱きしめてくれた。
自分の服が汚れることなんて気にもせずに。
センセイだけが、僕を褒めてくれた。