私はあなたのストーカーです
胸が、ドキドキしたのです。
不思議なものですね。
あなたは、サクラと、
年が近い以外には、なにひとつ外見的に似ているところなんてなかったのに。
あなたが、あの日。
動物園で私にぶつかってきたとき。
あなたの顔よりも先に、鞄につけられた、ゆらゆらと揺れるキーホルダーに目がいきました。
それがサクラの好きだったウサギのキャラクターだったからです。
『すみませんでした!』
キーホルダーからあなたへと、視線を向けたとき。
純粋に、欲しい、と。思いました。
少しクセっ毛の柔らかそうな髪も。
思わず抱きしめてしまいたくなるような、幼児のような肌も。
大きく、輝きを放つ目も。
それを縁取るまつ毛も。
小さな手も。
声も。
年が倍ほど違う少女のあなたの、すべてから、目が離せなくなったのです。