私はあなたのストーカーです
「ねえ、麻美」
「なに」
上機嫌な女王様の鼻をへし折ってあげるよ。そのあとどんな目にあうかは、わからないけど。
黙って従う働き蜂になるつもりないから。
「悠のこと協力してって言ったよね」
「うん。いいプラン考えてくれたー?」
「考えない」
「……は?」
ざわついていた教室が、シンと静まり返る。
「なに言ってんの、ヒナコ」
「こっちの台詞。もうなにもお願いしてこないで」
「友達からのお願い、断る気?」
「うん。だって、友達じゃないし。最初から」
そう言うと、自分の席に向かった。
これで仁依菜ちゃんのこと助けてあげられたとは思っていない。それでも、今、麻美側につかないことで誠意が見せられたら。
そう思い、席につくと一時間目の準備を始めた。