私はあなたのストーカーです


今朝の出来事を知っている人は多くはないけれど、私が麻美に歯向かった事実はすぐに浸透していった。


あのグループには、もういられない。


かといって、麻美を敵にまわした私を好き好んで受け入れようって子も、きっといない。


クラスで、孤立してしまった。


ぼっちになってわかったこと。


「授業おくれるよー」
「えー? まだ余裕」


誰かに合わせずに生きるのは、とても楽だった。

移動教室のたびに、準備の遅い(というよりは、急ぐ気がない。喋っている)麻美を待つ必要がなくなった。


いつも一緒に行動していた四人を置いて、先に教室を出る。


話し相手がいないのは少し寂しい。でも、無理に話すよりは性に合っていた。


仁依菜ちゃんは、結局、麻美たちといることを選んだ。


麻美に逆らいたくないからなのもあるだろうが、私が仁依菜ちゃんの秘密にしたかったことをあんな風に広めた犯人だと思っているからだろう。


(信じてもらえなかったな)


あのラクガキは麻美の仕業なの?

だとしても、麻美に仁依菜ちゃんの秘密を話したのは誰?

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