私はあなたのストーカーです
四人が去ったあと、散らばったものを拾っていると校舎にチャイムが鳴り響いた。
もう生徒は誰も廊下を歩いていない。
(言い返せなかった)
言いたいこと、あったのに。
仁依菜ちゃんの秘密バラしたの、私じゃない。
仁依菜ちゃんが私のペン拾おうとしてくれただけでも、嬉しかった。
悠とご飯食べるのには理由があって。でも悠の家の事情を勝手に話すわけにはいかないし、たとえ理由なんてなくても、悠と私が仲良くすることで責められるのはおかしい。
私の従順じゃない態度が、麻美のかんに触り、私のこと黙らせたいのだろう。
大人しく言うことをきく兵隊が欲しいんだ、あの子は。
ナミみたいになりたくない。
人のこと悪く言ってさ。笑ってさ。
なにが、楽しいの。
「……でも。一人って、思ったより辛いものかもなあ」
落ちたペンをギュッと握りしめながら、さっき抱いていた『ぼっちがラク』という考えが、途端にしぼんでいく。