私はあなたのストーカーです
「壊れた――って。なんで」
「……え?」
「もの使い荒くないだろ」
悠?
「一ヶ月で」
なんで私が筆箱一ヶ月で壊れたって、わかるんだろう。高校進学と同時に買い替えたって話したっけ。
「落としちゃった」
「どこで」
「……廊下」
「滑り落ちた?」
「あ……うん。そんなところ」
悠に嘘をついてしまったのは、悠のことがきっかけで麻美とイザコザが起きたなんて知られたくなかったから。
それに、単純にぼっちで。
クラスで浮いてますなんて、言えないよ。
悠は、自分のことで手一杯なんだ。
悠は、学年イチの人気者なんだ。
どうして悠と私、こんなに違うんだろう。
「そっか。どんくせえな、ひなは」
「う、うるさい」
「なのに料理は、こんなに上手いとか。男心くすぐる」
――え?
「クラスのやつから言い寄られたりしてねーの」
「まさか」
へんなの。悠がこんな話をふってくるの、珍しい。
だいたい二人が共通して好きな(というか読まされてハマった)バスケ漫画の話とか。
なんともない日常話が多かったのに。
「増えたよな。中学の頃より」
「……なにが?」
「付き合ってるやつ」