私はあなたのストーカーです
「美味いだろ。俺特製ブレンド」
「……どう見てもインスタントですよね」
「バレたか」
「ドヤ顔で嘘つかないでください。バレるもなにも、目に見えるティーパックで誤魔化そうと言う方が無理あるんですけど」
「はは。結構いうな、お前」
やってきたのは、国語準備室だった。
先生の部屋っていうのは、先生が授業以外で控えている部屋のことだった。
わかってはいたけど――。
【俺の部屋行かねーか】
あんな言い方されて、思わずドキっとしてしまった。
さっきまであんなに絶望のフチにいたのに。
「……おいしい、です」
「よかった」
先生の淹れてくれた紅茶が、心の芯まで温めてくれる。