私はあなたのストーカーです


「余計なことしたかな。俺」


頭を横に振る。


「碓氷、同じ中学出身だったよな」
「はい。腐れ縁といいますか」
「帰りの誘いだった?」
「……たぶん。今日、ご飯一緒に作ろうってことだと」
「そりゃよかった」
「え?」
「一人で帰すの心配だったから。うまいもん食って。よく寝て。また明日元気に来いよ」
「……っ、はい」


本当は、もっと、ここにいたいなんて。

そんなことを考えてしまったなんて、言えなくて。


「仲いいな」
「まあ……それなりに」
「年の近い幼なじみがいると。兄妹みたいでいいなー」
「え?」


他の子なら、こんなとき、付き合ってるのかとか。ズルいとか、羨ましいとか。

そんなことばかり言ってくるのに――。


「って、失礼か。つい自分が妹と料理してたときのこと思い出して。普通、こういうときは『お似合いだな』が正しいか?」


そんなことないです。

先生からだけは、そんな風に言われたくないです。

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