私はあなたのストーカーです
「わー! いらっしゃい、悠くん。ちょっと見ない間に男前になって!」
帰宅した母のテンションは、案の定、引くほど高かった。
とりあえず悠の身体をベタベタ触るのやめて。
「そんなに久しぶりでもないですけどね」
悠って先生にさえタメ口なのに(まあ、さっきは栗原先生だからかもしれないが)うちのお母さんには何年たっても敬語が抜けないんだよね。
「えー? 二人でご飯を? 嬉しい! 着替えてくるねー!」
うるさいからもう戻ってきて欲しくない。
「ひなのお母さんってさ。老けないよな」
「そう?」
若作りしてるなーとは、思うけど。
「そうだよ。最初に会ったときから印象全然変わってねーもん」
それはそれでどうなんだろう。
「ひなも。童顔だから、ずっと少女のままだったりして」
「えー、イヤだな」
「そう?」
「はやく大人になりたい」
「ふーん。なんで?」
「なんでって……」