伝説に散った龍Ⅱ
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諒二はそのまま五分ほど喫煙をやめず
「ゼッツー出してよ、諒二」
私がそう言えば、怠そうにしながらも言いなりになってくれた。
『信じるよ』と
彼の背中がそう言ってくれる。
「じゃあ。行ってくるよ」
「待て」
…なんだろう。
総長モードの諒二は変に気が狂うね。
なんて失礼なことを内心思いながら
いつになく真剣な表情を見せる彼にくいっと顔を向けた。
「なにさ」
間延びした返事は多分
今の私に出来る、精一杯の強がり。
「最後に、一度しか言わねえからな」
「…うん?」
「別にお前が『戻りたい』って言うなら俺は止めねーよ。
それがお前の望みなら俺も本望だ」
「…うん」
「強要もしねえけどな。
まあ、だからさ」
───お前が選んだ道で
みっともなく後悔する姿は見たくねえからな