伝説に散った龍Ⅱ
「新しい狼を作ってくのはもう、私じゃない」
口に出してこそわかる本当の悲しさというものがある。
それを噛み締めながらしばらく走り、いつの間にやら見慣れた街並みに入った。
キラキラとネオンが輝く人混みの中
時折懐かしい不良が屯していて、彼等の特攻服が見え隠れする。
その中に
不意に「六代目狼」の文字を見つけた。
「…でかくなったんだよね。あんたちも」
見違えるほど
たくさんのものを、背負いながら。