伝説に散った龍Ⅱ
私と柚以外の皆は食事に出て行った。
私も正式な仲間になった建前、もう皆と一緒に外出出来ないということはない。
むしろ逆だ。
この一週間、色んなところに連れていかれた。
なのにまだここに居るのは
実を言うと、体調が優れないから。
「…頭痛治ったか?」
「ん、だいぶ良くなった」
机の上。小さな長方体の箱。
柚だけが私の体調に気がついたようだった。
薬のおかげで、だいぶ楽になったし
副作用だろうか、今は少し眠たいような気もする。
何にしろ、柚の不器用な優しさが暖かい。
「柚の薬よく効いたよ」
「…そっか」
「ありがとう」
素直にお礼を言えば、柚は照れたように笑う。
…そういえば、リルハちゃんとはその後どうなったんだろう。
あの日以来
柚は私にすらその件については何も話してこない。
だいたい、予想は着いてるけど。