誰にも言えない秘密の恋愛
結!(ユイ)起きて。時間なくなるよ?」

(ミヤビ)の声が 少しずつ荒くなっていくことに
気付いた結は渋々 お布団から起きて リビングへ出てきた。
小さな手には、お気に入りのアザラシの縫いぐるみを持っていた。

「おはようございます。」
「おはよ 結 これで、お顔拭いてキレイにしてね?」

柔らかい笑顔で結に あいさつをした雅は
手にしていたホットタオルを結に手渡しした。
まだ、5歳の結は背丈(シンチョウウ)が低すぎて洗面台に届かない。
そのために、雅が欠かさず結に用意しているものが『ホットタオル』だった。

毎朝のホットタオルで、顔を拭くことが 結の洗顔の代わりなのだ。

「うーん…暖か~い。それに、フカフカ~」

ホットタオルに 顔を埋め込み、気味に近付けて顔を拭いていく結。
可愛い娘の姿に、雅は思わずにっこり。

「お顔拭けたら タオルは、洗濯機に入れといてね。終わったら朝ごはん食べよっ」
「うん!」

朝。
雅の1日は早朝4:00
小鳥達の鳴き声と携帯電話のアラーム音。
そして この時期(春から夏場の時期限定)は
レースカーテン一枚越しの窓から差し込む 太陽の光で目を覚ます。
毎日1~2時間くらいが、雅にとっての睡眠時間。
時には、オールナイトで仕事をしている事もある為・・・午前中が苦手な雅。
なんだけど・・・しょうがない・・・。

2LDKの小さな部屋。
玄関を開ければ 直ぐキッチンにリビングルーム。
玄関入ってすぐの 位置には、トイレに お風呂そして脱衣所・・・。
リビングルーム 意外のお部屋はTVと敷き布団が
1枚敷かれている小さなアパートの2階のお部屋と
雅のお仕事部屋…って言っても パソコンデスクが
置いてあったり委託物の荷物が、置かれていたるけど…
どの部屋もきちんと整理されていて、散らかっている部屋は無く
小さめだけど、バルコニーが付いている。
結とふたりで暮らすには ちょうど良い広さだった。

「結 朝ごはん出来たよ?ごはん・パン・シリアル…どれがいい?」
「う~ん…結 シリアルがいい~」
「牛乳使うけどいいの?」
「ぎゅうにゅう?頑張ってみる」
「なら少量だけにしとくね」
「うん」
「はい、お待たせ」
「いただきまぁ~す」

何気ない日常だけど雅に とって安らぎの時間だった・・・。
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