タイムカプセル。
「…着いた」
通り過ぎることはあるけど久しぶりに入った公園。
3年前はよく来てたな…。
懐かしながら一歩、一歩歩みながら公園の様子を見る。
そしてブランコが見える位置のベンチに腰を下ろした。
「本当…懐かしい」
『泣くなよ』
あの時ブランコを立ち漕ぎしながら泣く私を笑ってたっけ。
3年前の中学の卒業式の日を思い出して口角が上がり
「…祐…之介」
涙が頬に一筋流れた。
「祐之介……」
自分のセーターの袖で涙を拭う。
“不安にさせてごめん”
あの時は祐之介が自分のセーターで拭いてくれたのに。
バスケットコートを見つめる。
『杏』
ねぇ、祐之介。
「約束の日だよ…」
“元”彼女になった私との約束なんてもう忘れてるよね。