タイムカプセル。
「で?それがこれ?」
「うんっ」
祐之介の手には近所のケーキ屋さんのクッキーが入っていた赤に白の水玉模様の缶。
「この店のクッキー美味いよな」
「そーそー!私も見つけた時、中のクッキーもあるか開けて確認した」
「食い意地はってんな」
「えへへ」
「で?あの全然おもしろくなかったドラマの最終回観てなんでこの箱用意することになったわけ?」
「タイムカプセルしようよ!」
「タイムカプセル?」
「うん、明日杏と祐之介で宝物と自分にと相手への手紙2通をこれに入れて埋めるの。
それで3年後の明日、掘り起こそうよ」
「杏にしては良い案じゃん」
「“杏にしては”の所気になるけどスルーしてあげる」
「どーも」
1ミリも思ってない秒読みで祐之介は言った後、口角を上げ微笑んだ。
そして、杏の頭を優しく撫でると
「じゃあ、埋める場所はあの公園にしようか」
そう了承と言う名の提案をしてくれた。
「あの公園って…フフ、祐之介はロマンチストだなぁ」
「うるせぇな、明日持って来いよ宝物と手紙。
卒業式終わったら埋めに行くぞ」
「うん!」
少し顔を赤くして言う祐之介に元気良く返事をした。