タイムカプセル。




私はあの後、箱から物を取り出すのを止めた。

一回蓋を開け、中身を確認した後また蓋を閉めた。


そして、穴を埋め直すと缶箱を抱きしめたまま立ち上がり鞄を持って急いで走って自宅に帰った。


息切れしながら自宅に帰るとそのまま自室に入り、カーペットの上に腰を下ろして直様缶箱を勢い良く開けた。

中身は公園で確認してたから分かっていた。


リストバンドと赤色のハチマキ、数枚の写真、私自身への手紙と

見覚えの無い色の“杏へ”と書かれた封筒。


3年前、祐之介が私宛に書いていた手紙の封筒の色は桃色だった。

けれど今目の前にある封筒の色は白。

私の記憶違い?

いや、確かに封筒は桃色だった。


疑問を抱きながらまずは過去の自分が今の自分に宛てた手紙を開けた。

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