タイムカプセル。
3年前に過去の自分が書いた手紙を読んで溜めていた息を吐いた同時に笑い声が出た。
「フフ…子供だなぁ」
そういえば、あの頃は自分のこと名前呼びしてたんだっけ。
今考えたらお子様っぽくて恥ずかしい。
でも、少し羨ましくもあった。
“杏の隣には祐之介はいますか?”
そう聞きつつも
“これからもずっとずっと祐之介の隣にいられますように”なんて
当たり前のように祐之介が隣にいると思ってる。
「ごめんね、15歳の私」
今の私の隣には祐之介はいないんだ。
その事実を知ったら、お子様な杏はどんな反応するのかな?
気づけば空が青い色からオレンジ色が混ざり始めていた。
やばい、ファミレスに行かないと。
クラスメイトたちが待ってる。
でもこのままこの手紙を読まずに外には行けない。
慌てて白の封筒を手に取った。
“杏へ”
やっぱり違う。
中学の頃の祐之介の字じゃない。
じゃあこれはやっぱり
「18歳の祐之介から…?」
ゆっくりと封を開いて、手紙を広げた。
「祐…之介」