タイムカプセル。
埋めたあの日、この写真を2人で懐かしながら笑って思い出を語ると思ってた。
けれど現実は1人虚しく涙を流しながら見る、幸せそうに笑う2人の笑顔の写真が心痛む物となってしまった。
「こんな時もあったのにね……」
過去に戻れたらどんなに良いだろう。
この頃に戻って大きな祐之介の愛に包まれて、大好きなバスケを頑張って過ごしたい。
幸せなあの頃の写真は未練ばかり連れてくる。
「このままじゃ…ダメだよね」
もう私ももう春から大学生だ。
未練なんて持って未来に進みたくない。
だけどこのままだと私は進めない。
写真を強く握ると、笑顔の2人にシワが寄った所に暖かいオレンジ色の光が当たった。
光を追うと、窓から入った夕焼け空が視界に広がる。
その瞬間、
「また…埋めるか」
1つの決意が決まった。