タイムカプセル。






「どれぐらい掘るー?」


「すっげー掘っとかなきゃダメだろ、犬に掘られんぞ」


「確かに変なの埋められてもね…」


「あー、ウン「言わないでーー!」


杏の反応を見てゲラゲラ笑う祐之介。

そんな祐之介の反応を見て自分自身も自然と笑みが出る。


「祐之介、好きだよ」


「何だよ、いきなり」


「言いたくなったの」


えへへて照れていると言われた祐之介は耳を赤くしながら杏に近づくと頬を撫でながら親指で鼻の上も撫でる。


「杏」


「な、な、何?」


祐之介の顔が近づく。

このシチュエーションはキスだよね?

ドキドキしながら目を閉じて待ったが、唇に感触なんて無くて聞こえて来たのはクスクスと笑う笑い声。

へ?


「杏、鼻に土付いてんぞ」


「は?」


「だーかーらー、鼻。土付いてる」


祐之介が持つ手鏡に移っているのは鼻に馬鹿みたいに土をつけて顔真っ赤にしている自分。


「祐之介が今付けたんでしょーっ!」


「気づかない杏が悪い」


「もう祐之介の馬鹿ー!」


スコップをそこらへんに投げて手鏡を見ながらハンカチで拭う。


「さっきの雰囲気はキスでしょー!」


「予想すぎな行動しても楽しくない」


「楽しい楽しくないで行動しないでよね!」


男子ってやっぱり子供…。

雰囲気くらい読み取ってよね…。

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