タイムカプセル。


イライラしながら投げたスコップをもう一度手に取って穴堀りを再開する。


「あーん、怒った?」


「うるさい」


「そんな怒んなよ〜」


「知らないっ」


祐之介の態度にイライラが増す。

「祐之介のばっ「もう怒んなって」


馬鹿!そう叫ぼうとした瞬間、唇に柔らかい感触。

祐之介のドアップと祐之介の柔らかい唇の感触。


ゆっくり瞳を閉じて数秒間キスをすると自然と唇が離れた。


「落ち着いた?」


悪戯が成功した時に見せる得意顔の祐之介。

「ばぁか」


「照れ隠しする杏ちゃん可愛い」


「…うるさい」


顔熱い…本当、祐之介には負ける。


当の祐之介は鼻歌を歌いながら穴を掘っている。

本当、憎めないんだよね…。

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