アイツが仕掛ける危険な罠=それは、蜜色の誘惑。【完】
「愁が……好き。大好き……」
高ぶる感情を抑えることができず、微笑む愁をギュッと抱き締めていた。すると愁がそれ以上に強く私を抱き締め耳元で「はぁーっ……」と熱い息を吐き出す。
「バカ……我慢できなくなるだろ?」
「だって……」
そう言った時にはもう、愁が体を反転させて私の上になっていた。アルコールが入っているせいか、いつもより乱暴に私の服を脱がせ、それを床に投げ捨てると露わになった肌に何度も弾けるようなキスをする。
あぁ……愁、もっと強く私を抱き締めて……
この腕の中に居る時だけが、唯一、私を不安から解放してくれる瞬間だから……
しかし甘く濃厚な時間は永遠には続かない。ソファーのきしむ音が止み、終わり告げるキスを交わすと、途端に現実に引き戻され不安になる。
「ねぇ、愁……一年後、私達どうしてるかな?」
「一年後かぁ~去年の今頃はこうしてお前を抱いているなんて想像もしていなかったからなぁ。一年後も想像もできないことが起こっているんじゃないか?」
想像もできないことか……確かにそうだよね。一年前は愁と再会できるなんて思っていなかったもの。
何が起こるか分からないのが人生。だから、どんなことが起こっても構わない。ただ、愁が隣に居てくれれば、それでいい。
勇気を出してこの想いを伝えようとした時、隣からまた小さな寝息が聞こえてきた。
ヤダ、もう寝ちゃったの?
呆れながらも、柔らかい髪をソッと撫で呟く「お願い。一年後も、愁の傍に居させて……」と――