忘れていたのは君の優しさと幸せのせい
ー出会いー
いつからか、私 白沢花夏 は眠りが浅くなっていた。病院に行ってもストレスだとか昔の出来事がフラッシュバックしているのではないかとか、色々言われたけど、思い当たることはなかった。
別に友達が多いわけでもないし、少ないわけでもない。特別美人でもなければ、綺麗じゃないわけでもない。
ただ、どこにでもいるような普通の女子高校生なだけ。
友人関係も上手くいっているし、理由は分からない。
でも、どこか胸の奥がざわめいている気がする。
どうにかして、治らないかな?

「はぁ~。」
「おはよう。どうした?花夏」
「あっ、由璃おはよう!」
「で何があったの?」
「それがさ。なんかこう、モヤモヤするんだよね!」
「大丈夫?保健室行く?」
「ううん。大丈夫だよ!たいしたことじゃないから。」
「そう?花夏はいつも無理するんだから、キツイ時は言ってね!」
「うん!分かった。」
この子は、浅井由利 私の幼なじみで、親友だ。
由利との出会いは、とても昔の事なので忘れてしまったけど、今こうして一緒に居れるからいいと思っている。
今日も、平和だな~。

この時私は、最悪な事に巻き込まれることをまだ知らなかった。
「かなちゃん。いつか迎えに行くね。だから......」
そう言って、その子ははにかむように笑った
誰?誰なの? ねぇ!! 答えてよ.......
あれ?口が勝手に....
「うん!かな、ずっと待っているから、か....くんの....こ.....と」
あれ? 涙が.....
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