フルール・マリエ
「私がタキシードを決めてしまうことはできないんでしょうか?サイズなどもわかりますし」
おずおずとお母さんの方が提案するが、私は少し逡巡してから心を決めた。
「可能ではあります。ですが、やはり旦那様も納得した上で結婚式の準備を進めるのが良いかと思います。式場を決めて、ドレス選びをされていることは旦那様はご存知ではないのでしょうか?」
「まだ、言ってません」
一度もあった事がない旦那さんの心を推し量ることは難しいが、全て決まってるから式を挙げてくれ、と言われて、逆にこじれてしまうのではないだろうか。
渋々式を挙げてくれることになっても、納得できていない挙式になってしまっていいのだろうか。
「私の個人的な意見で申し訳ありません。ご家族思い出の挙式にするために、もう一度、良く話をして頂くのが良いのではないかと思います」
そう言われることが最初からわかっていたように、2人は示し合わせることなく頷いた。
「そう、ですよね。もう一度話し合ってみます」
深く息を吐き、自信なさげだったが、このまま話を進めるのはリスクが高いように思ったので、お願いします、と後押しした。