フルール・マリエ
最初に着たドレスはピンク色のフリルにフラワーコサージュが散りばめられた華やかで立体感のある可愛らしいドレス。
新婦がドレスを着た姿を初めて見る新郎はたいてい見惚れていたり感動していたり、愛しい新婦の晴れ姿にときめいているのが傍目から見てわかる。
牧さんの新郎の場合は特に顕著で、思わず立ち上がってキラキラと目を輝かせていた。
「香織ちゃん、すっごい可愛いっ!それいいよ!それにしなよ」
「えー、私まだ他の着たいよ」
新郎ははしゃぎ、新婦は普段からドレスを見慣れていることも手伝ってか冷めている、温度差のある新郎新婦だが、これはこれで微笑ましい。
それから牧さんはオレンジ系や赤系のカラードレスを試着し、やはりピンク色に固まりつつあったので、次回はコーラルピンクやサーモンピンクなど様々なピンクを試着し、フリルの豊かさや装飾の煌びやかさがどの程度欲しいのか確認し、1回目の打ち合わせは終了した。