それがあの日の夢だった
歩き疲れた頃にようやく着いた場所は簡素な作りの一軒家だった。

鍵を開けて中に入る。
しばらく誰も住んでいなかったのか、少し埃っぽかった。

「今日からここが新しいお家よ」
お母さんが淡々と言う。

しばらく野宿をしていた私たちにはありがたく感じるが、一般的にはあまり喜ばしくない物件なのだろう。


カバンから荷物を出す。
ドロドロになった服を水につける。
当分血液などの汚れは取れそうにない。



その日は持ってきていたなけなしのお金で何とか食べ物を調達した。

あまり豪華とは言えないが久しぶりのまともな食事だった。
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