私の嘘は、キミのせい。



悩みに悩んだ末、私が投げたのは



【それなら今度、告白のシミュレーションしてみよっか】



……そんな、勇気ない返事。


あほみたい。背中を押すこともせず、引き留めることもせず。

ほんと、何やってんだろうね、私。


そして、私の投げたメモを見た要が、すぐさま新しいメモを投げつけてきた。

……もう少し手加減してくれ。さすがに怒られるかもだから。



【ありがとう。やっぱり奈々佳はいい奴だな】



……たぶんね、私がいちばん、要には言われたくなかったこと。

今までなら、小さい紙切れなのに、わざわざ100円ショップに売ってるチャックつきの袋に入れて大事に保存してたけど、最近は捨てる数が増えた。

そしてこれは、もう燃やしてしまいたい。


真っ黒になって、消えて、なかったことになればいい。


そのくらい、痛い。



【バカだね、要は】



私も同じくらい……ううん、絶対、要よりもバカなんだけど。

そんな返事を要に向けて投げたあとは、ただひたすら睡魔に耐えながら、おじいちゃん先生の授業を聞いていた。


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