私の嘘は、キミのせい。
「……そうだね」
本当にね。私も最近、似たようなことを思うよ。
いくら要に好かれていても、要の私に対する“好き”と、私が要に対する“好き”は、絶対的に違う。
いくらそばに居られても、要のその気持ちが変わることがない限り、私は辛いままなんだということを知った。
最初は、そばにいられるだけでよかったのに。
要と出会ったのは、去年の春。高校の入学式の日。
私と要は、同じクラスだった。
そして、私の前の席が───要だった。
その日、要はシャーペンの芯を忘れていたらしく、困っている様子だった。
『使う?』
そう声をかけたら、砂漠で水を見つけた人かのように喜んで懐いてきた。
もちろん、私が要に何かしてもらうことも多々ある。よく私は雑用を頼まれたりするけど、要はそれを手伝ってくれたり。
授業中、眠くてノートを取っていなかった時も、ノートを見せてくれたり。
そんな些細なことでも、私はすごく嬉しかった。