私の嘘は、キミのせい。
「ぜんぜん反省してねえじゃん」
「だって……」
「俺が思うに、要は奈々佳に甘えすぎ。奈々佳はお前の母さんじゃねーんだからな」
さすが大輝。パーフェクト幼なじみ。
私の怒りポイントはそこだよ、要。
要が甘えてきてくれるのは、ほんとは嬉しい……けど。でも、要が私に甘えるのは、私が期待してるような理由じゃない。
だからだんだん、要が近付いてくることにイライラしてしまって。
───要はなにも悪くない。
悪いのは、気持ちを捨てられない私。勝手に期待して、期待したものと違うからって拗ねるようなコドモな私が悪い。
要と純粋な“友達”としていられたら、その距離感は嬉しいだけのものだったんだろうね。
でも……無理なんだ。
今さら要を友達として見られるならとっくに見てる。できないから、こんなにも私は不安定。
「───そろそろ奈々佳離れしろ」