私の嘘は、キミのせい。
そう言うと、要は“はあ?”とでも言うような顔をして、私に詰め寄る。
「なんだよその言い方……っ、この前の卵焼きのときからなんか奈々佳おかしい」
「……」
「おれ、卵焼き以外に嫌われるようなこと、した?なあ奈々佳、言ってくんねえと直すに直せないから教えてよ」
────じゃあ、花宮さんのこと好きでいるのやめて、
なんて、無理な話。“好き”を消すことが難しいのは、私が一番よく知ってる。
「……なんでもないよ。ただ、ちょっと……一緒にいすぎたんだよ、私たち」
大輝に言われた通り、やっぱり改めて考えると、私たちの距離感はおかしいんだ。
付き合ってもない男女がこんなに近くにいるなんて、世間的にも、個人的にも、モヤモヤするものがある。
別に男女の友情を否定するつもりはない。実際、私と大輝は恋愛感情抜きでも仲良くやってる。
でも、私と要の場合は。
私が要に恋愛感情を持った時点で、その“友情”なんてものは終わってたんだと思う。
「……なんだよ、それ」
「要が……っ、……要が花宮さんと付き合ったりしたら、私お昼ぼっちじゃん」