私の嘘は、キミのせい。
綾乃と大輝もいる。でも、私を一人にしないために二人の中にいさせてもらうなんて、申し訳なさすぎて消えてしまいそう。
それに絶対、気を遣わせちゃうし。
……要と花宮さんが付き合ったりする未来なんて、想像もしたくないよ。
でも、きっといつか要は離れてく。私が要の隣にいる未来は、いつか消える。
私が要の“友だち”の枠から外れることなんて、たぶんないから。
そのためにも、要がいない状態に早く慣れなきゃ。
……それに、仲良くなりたいし、相田くんと。
「じゃあもう行くね。待たせてるから」
「っ、待って奈々佳」
「……待たない」
要の引き留める声を無視したのは初めてだ。
別に走って逃げたりしたわけではない。
だけど、要がそれ以上追いかけてくることはなかった────。