君の手が道しるべ
お仕事女子の道険し。
午後3時。
ゆっくりとシャッターが降りていくのを見て、私は小さくため息をついた。
ロビーにお客様がいないことを確認してから照明スイッチを落とす。すぐそばにある有線放送のスイッチも切る。ほんの少し暗くなった営業室。さしあたり、今日の戦いが終わったと感じる瞬間だ。
ずっとずっと昔。
高校生くらいまでは、
「銀行って3時に閉まるから、早く帰れてラクそう。私、銀行に就職したいな」
などと脳天気に思ったりしていた。
大学生になった頃には、さすがにそんな考えは持っていなかったけれど、
「銀行は女性でも活躍できる職場に違いない。企業としての安定性も将来性もあるし、就職活動は金融機関中心で行こう」
と考え、実際、銀行への就職に成功した。
そして。
30歳の節目を超えて早2年。
昔思い描いた自分の「将来像」とは似ても似つかないところに、今、私は、生きている。
ゆっくりとシャッターが降りていくのを見て、私は小さくため息をついた。
ロビーにお客様がいないことを確認してから照明スイッチを落とす。すぐそばにある有線放送のスイッチも切る。ほんの少し暗くなった営業室。さしあたり、今日の戦いが終わったと感じる瞬間だ。
ずっとずっと昔。
高校生くらいまでは、
「銀行って3時に閉まるから、早く帰れてラクそう。私、銀行に就職したいな」
などと脳天気に思ったりしていた。
大学生になった頃には、さすがにそんな考えは持っていなかったけれど、
「銀行は女性でも活躍できる職場に違いない。企業としての安定性も将来性もあるし、就職活動は金融機関中心で行こう」
と考え、実際、銀行への就職に成功した。
そして。
30歳の節目を超えて早2年。
昔思い描いた自分の「将来像」とは似ても似つかないところに、今、私は、生きている。
< 1 / 102 >