君の手が道しるべ
ハンターの狩場が目の前にあって、梨花の甘ったるい声の連射を聞きたくもないのに聞かされるのは、かなりの苦痛なのだ。
くじ引きの結果決まった私の席は、主賓の大倉主査の真向かいだった。
席についたときから、少し離れたところにいた梨花の視線に気づいてはいたけど、まさかこんなに早々と席を移動してくるとは思っていなかった。
狙った席に見事おさまった梨花は、アイドルみたいな作り笑顔で大倉主査に瓶ビールをお酌している。
そのお酌をおとなしく受けている大倉主査は、梨花と対象的な表情だ。口元こそ朝見たのと同じ皮肉げな笑みを浮かべてはいるけど、目はまったく笑っていない。
「……藤柳さん、絶好調ですね」
くじ引きで私の隣に席が決まった栞ちゃんが、小声でつぶやいた。
いつも控えめで穏やかな栞ちゃんは、私の心のオアシスだ。ときどき、こっちが驚くような皮肉や毒を吐くことがあって、それがまた栞ちゃんの魅力だと思う。
くじ引きの結果決まった私の席は、主賓の大倉主査の真向かいだった。
席についたときから、少し離れたところにいた梨花の視線に気づいてはいたけど、まさかこんなに早々と席を移動してくるとは思っていなかった。
狙った席に見事おさまった梨花は、アイドルみたいな作り笑顔で大倉主査に瓶ビールをお酌している。
そのお酌をおとなしく受けている大倉主査は、梨花と対象的な表情だ。口元こそ朝見たのと同じ皮肉げな笑みを浮かべてはいるけど、目はまったく笑っていない。
「……藤柳さん、絶好調ですね」
くじ引きで私の隣に席が決まった栞ちゃんが、小声でつぶやいた。
いつも控えめで穏やかな栞ちゃんは、私の心のオアシスだ。ときどき、こっちが驚くような皮肉や毒を吐くことがあって、それがまた栞ちゃんの魅力だと思う。