3次元の恋~オタクの恋物語~
会場を出て駅へと向かう。
何度も足を止めながら。
名残惜しい気持ちはもちろんある。
ずっと楽しみにしていたイベントに
行きたいと思う気持ちも、もちろん。
遥希「柿谷!」
追いかけてきた大高が私の腕を掴む。
青葉「離して。」
遥希「離さない。」
青葉「本当にごめん。でも、私
こんな気持ちのままじゃ楽しめない。
全然、楽しめないよ!」
遥希「じゃあ、付き合って。」
青葉「え?」
遥希「俺は何度もやりたくもない
乙ゲーに付き合わされた。
だから、今日は柿谷が俺に付き合え。」
強引に手を引いた大高は
来た道を引き返す。
その力があまりにも強くて
私は黙って従うしかなかった。