3次元の恋~オタクの恋物語~

青葉「…いい…場所ですね。」

依知「あんまりいい思い出ないけどな。」

数分間の沈黙の後
百瀬さんは車を停めた。

目の前には綺麗な海が広がっていた。

依知「外の空気でも吸おうぜ。」

青葉「はい。」

堤防の上に座ると潮風を
肺いっぱいに吸い込んだ。

今ではあまり嗅がなくなった
潮風が懐かしかった。

この場所で百瀬さんは生まれ育ち
私の知らない時間を過ごしてきた。
きっと、私以上に懐かしい気持ちを
思い出しているのだろう。

隣に座る百瀬さんは
そっと目を閉じ2.3度息を吐いた。
< 321 / 433 >

この作品をシェア

pagetop