3次元の恋~オタクの恋物語~
依知「昔から嫌いだったんだよ。
この場所が。近所にあるのは
潰れかけの八百屋や魚屋。
服を買う場所すらねぇ。
道を歩けば知り合いばかりで。
いってらっしゃい。おかえり。
散歩途中の老人が飽きもせず
毎日、声をかけてきやがる。
大して楽しくもない学生時代を過ごして。
絶対に俺はこんな町じゃ
くすぶらねぇって思って
東京の大学に進学した。」
その横顔からは百瀬さんが今
何を思ってるのかは伺えない。
依知「東京で成功して
でけぇ男になる。それが俺の夢だった。」
青葉「夢、叶いましたね。」
依知「ああ。叶った。今じゃ俺は
地元のヒーローだ。お袋も親父も
鼻が高いって喜んでるよ。」