3次元の恋~オタクの恋物語~
洗練された装いの
ウエイターがドリンクを手渡してくれる。
喧騒とは程遠い、だけど決して静かではない
空間の中で彼は行き交う人々と
談笑したり、時には小難しい話をしていた。
隣に立つ私は愛想笑いを浮かべるだけで
何も出来なかった。
律「すみません。
お待たせしてしまって。
父の元へ行きましょう。」
青葉「はい。」
例えばここに1ヶ月監禁されたとしても
きっとここにいる人達とは
仲良くなる事もなければ、共通の
話題を見つけられる事もない。
と、現実逃避めいた妄想をするほど
場違いだった。
だから、当たり前だ。
律「お父様。」
南雲さんが尊敬していると言っていた
南雲さんのお父様とて例外ではなかった。