3次元の恋~オタクの恋物語~

律「例えば、力の強い勇者が
最強の武器を手に入れたとしても
必ず魔王に勝てる訳ではないですよね。」

ゲームの中の話に例えてくれたのは
きっと、彼の優しさなのだろうけど
残念ながら私はRPGは全くもって好まない。

だけど、なんとなく
その情景は目に浮かぶから
例え話としては秀逸だ。

律「魔王の手下達にものすごく
強い奴がいるかもしれない。
一緒に冒険していた旅の仲間が
実は敵だったなんて事も有りうる。
…僕は勝てない敵に戦いは挑まないし
裏切られるくらいなら、一緒に
冒険なんてしたくないと思うんです。」

百瀬さんの話を聞いた時に
感じた気持ちと同じだった。

生まれた時から、お金持ちで。
立派な父親がいて安定した将来が
約束されている。誰もが羨む環境の中
生まれ育った、人生の勝ち組は孤独だった。
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