3次元の恋~オタクの恋物語~
もう会えない。誠実なあの人と。
いつも私の事を知ろうと
努力してくれた、あの人と。
興味もないのに乙ゲーを始めて
新しいソフトまで買ってくれた
優しいあの人と会えない。
でも、悲しくてもこれが分岐点なんだ。
それぞれのハッピーエンドへと
続く道がその先にあると信じて
前に進むしかないのだ。
涙を拭い、階段を登る。
その1歩に力を込めて。
今、私は前に進んでいると
自分自身に言い聞かせて。
階段を登りきり、4つめのドア。
つまり、私の部屋の前には
スラッとしたスーツ姿の人物がいた。
青葉「……大高…」
大高がこうして私の部屋まで来るのは
随分と久しぶりで、こうして2人で
話すのも随分と久しぶりだった。