3次元の恋~オタクの恋物語~
あの日、私が逃げ帰った事に
触れる事もなく、水に流せる
百瀬さんは大人だ。
私なら、きっと聞いてしまう。
もう、怒ってない?とか。
あの日、何で帰ったの?とか。
根掘り葉掘り聞いたりして
時には、言い訳めいた事を
口走ったりするだろう。
でも、何もなかったかのように。
あくまでも、いつも通りに
さっきポケットから取り出した
それを私に差し出した。
依知「とりあえずこれ
誕生日プレゼント。」
その形状からして、多分中身は
アクセサリーの類だろう。
百瀬さんの事だから、きっと
それなりに値の張るやつ。