君と描く花言葉。



「いつからだったかなー……。
あ、そうか、ニゲラだよ。アンタがニゲラぐっちゃぐちゃにした日!」


「緑に塗りつぶしたねえ」


「そうそう。その日、ほんとびっくりしたんだから。
エリカってこんな大胆なことする子だったんだー!って」


「あれは……」



セイジに、教えてもらったから。



新しい世界の見方。


上手くなくていい、なんていう。新しい価値観。



けどまあ、いきなり学校でやったのは斬新過ぎたな、とは思う。



「……うん、我ながらすごいことやったなって思うよ」


「気付いてた?他の部員の子、すっごい目で見てたよ。
なのにアンタへらへらしてるし」


「嘘。全然気付かなかった……」


「コイツ意外とやるな……!って。
その時から友情が芽生えたわけですよ」


「……え。え?待って?
それまでは友情なかったの?」



サラッと飛び出た爆弾発言に慌てて聞き返すと、高ちゃんはお得意のイタズラっぽい笑みをにひっと浮かべた。


さっきは応戦してくれなかったのに。



「あっはっは」


「高ちゃん。ねぇ高ちゃん!?
私今、すごい不安になったよ!?」


「嘘うそ、あったよあった。
あったけど、今ほどじゃあないかな。
だってそれまでのアンタって、いつもどっか気を遣ってるっていうかさー……一歩引いてる?一枚壁を作ってる?みたいな感じだったから」


「あ…………」




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