君と描く花言葉。
高ちゃんの言葉に、ハッとする。
……そっか。
気付かれてたんだ。
ずっとずっと……言えなかったこと。
言ったら気分悪くするかな。嫌われるかな。
そんな風に、押し込めてきたこと。
全部、伝わってたんだ……。
伝わってたから、いつも友達になれなかったんだ。
……私のせいだ。
才能とか。そんなことは関係なくて。
変に遠慮しすぎていた私がいけなかったんだ。
親しき仲にも礼儀ありとは言うけれど、遠慮のしすぎは礼儀じゃない。
それは、ただ壁を作って人を遠ざけてるだけになる。
ただ、それだけだったんだよね。
何も難しいことはなかったのに、無知な私は無意識にずっと壁を作って、それでいて誰にも理解してもらえない、なんて感覚を覚えていたわけだ。
押し黙った私を見てか。
高ちゃんはまたにひっと笑って、今度は肩を抱き寄せてきた。
「まー、何はともあれよかったじゃんよ!
そんでそんで?エリカさんは一体何がきっかけでそんなに変わったのかな?」
「……うん?」
少ししんみりした今の雰囲気には似合わないニヤニヤ顔。
……その顔で、高ちゃんの言いたいことはなんとなく察しがついた。
けど、あえてわからないフリをすることにする。
「……なんのことでしょう」
「いやいや。変わったからにはなんか理由あるっしょ。
何?男絡み?もしかしてついに彼氏できた……!?」
「高ちゃん……」
あぁ……思った通りだった。
せっかくいい話風になってたのに、全てを台無しにしていったよこの子。
わくわく顔で何かを期待するいつも通りの高ちゃんに、ふっと気が抜ける。